COLUMN家づくりコラム
戸建注文住宅の平均顧客像は?調査から浮かぶ購入者の傾向
突然ですが、あなたの年齢はいくつでしょうか?世帯年収や家族構成は?
住宅の取得を検討し始めたとき、他の人はいつ、どのような状況で住宅を購入したのか、気になったことはないでしょうか?
大手ハウスメーカーなどで構成する業界団体(住宅生産団体連合会、以下住団連)が毎年実施している戸建注文住宅の顧客実態調査結果を読むと、一戸建て注文住宅の平均顧客像がわかります。
もちろん、年齢や世帯人数だけでなく、あなたが最も気になる建築費や借入金額など、お金関連の話も調査しています。
それでは、2021年度の調査結果を紹介していきましょう。
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世帯主年齢の平均は約40歳
調査結果をみると、2021年度に一戸建て注文住宅を購入した平均的な顧客像が浮かび上がってきます。
世帯主年齢の平均は39.9歳。前年度と比べて0.3歳上昇しています。年代別では30歳代の割合が43.3%で最多となりました。
もしかしたら、想定よりも高齢だと感じる人が多いかもしれません。ここには「子どもが巣立ち、老後に備えて新しい住宅を購入する」といったシニア層も一定割合(2021年度は60歳超が9.4%)含まれているため、平均年齢が引き上げられていると考えるのが妥当でしょう。
世帯主年齢分布にあるように、住宅購入のメーンは30~39歳のようです。
次に世帯構成は、親や子どものいる「親子世帯」が54%、子どものいない「夫婦世帯」が29%。夫婦のみの世帯は少数派のようです。住宅取得のきっかけが「家族が増えたから」というケースが多いことの裏付けとなっています。世帯人数の平均値は3.14人でした。
気になる資金計画は?
世帯年収は993万円。前年度から29万円ほど増えました。共働き世帯の増加などもあり、世帯年収は増加傾向にあります。
次に土地と建築費を合計した住宅取得費の平均ですが、5783万円でした。2020年度と比べると446万円の増加となります。土地を除いた建築費は3816万円でした。
一方、住宅の延床面積は124.5平方メートル(2020年度調査から2.3平方メートル減)と縮小しました。住団連によると、「建築費、住宅取得費が上昇し続けていることから、延床面積を抑制する状況が読み取れる」とのことです。
最近では、土地代や部資材価格高騰の影響もありました。注文住宅の価格上昇の傾向は、しばらく続きそうです。
資金計画ですが、自己資金は1481万円。親などからの住宅取得支援があった場合の贈与額は1538万円でした。借入金は4967万年で、前年度より366万円高くなりました。
この結果、住宅取得費の年収倍率は6.4倍、借入金の年収倍率は5倍となっています。超低金利の住宅ローンを背景に、借入金を増やす傾向が続いているようです。
住宅ローンの金利タイプは、変動金利が85.1%を占めるなど、8割以上が変動金利を選びました。
最近の報道をみていると、これまで超低金利が続いていた住宅ローンに変化の兆しがあるようです。固定と変動、どちらを選べば良いか悩んでいる場合は、ハウスメーカーの営業担当者や金融機関に相談するのも良いでしょう。
住宅価格の動向について
調査結果を振り返ると、建築費や住宅取得費が上昇しています。また、建築費を少しでも低く抑えるために、延床面積を抑制する傾向もあります。自己資金や借入金を増やすことで住宅取得費の上昇に対応しているようです。
ハウスメーカーは、プランや間取り、生活動線の工夫で、コンパクトな住宅でも快適な住まいの提案に力を入れているようです。
都市圏別の平均顧客像。東京圏は?
ちなみに、埼玉県を含む東京圏の平均顧客像は次の通りです。
世帯主年齢は42.4歳。世帯人数は3.19人。世帯年収は1069万円。住宅延床面積は124.5平方メートル。建築費は4096万円でした。
延床面積を除く4項目で全国平均値を上回っていました。
二世帯住宅やZEHの割合は?
住宅の種類は、一般的な一戸建て注文住宅が88%を占めました。このほか、同居型二世帯住宅が5.7%、完全分離型の二世帯住宅が1.9%、店舗や事務所などを併設した住宅が1.5%などとなりました。
階数は、2階建てが最も多くて84.7%。最近人気の高い平屋建ては9.2%、都市部などに多い3階建ては5.3%という結果でした。
ZEHの検討の有無は、「検討しなかった」が最多の43.9%(前年度から7.7ポイント減)。
「ZEHにした」は27.9%(前年度から6.5ポイント増)。「検討したがZEHにしなかった」は24.4%(同1.2ポイント増)でした。
ZEHは徐々に普及しているようですが、まだまだ少数派。ZEHにしなかった理由は「スケジュールが大きく変わってしまう」、「掛かり増し費用が高いと感じた」などとなっています。
住宅取得、いつ決めた?
最後に、住宅取得の契約締結や着工、竣工、入居時期についての調査結果です。
ハウスメーカーの営業担当者などに話しを聞いてから、実際に一戸建て注文住宅の契約を結ぶまでの期間は、2ヵ月未満が最も多く、32.4%を占めました。次に3ヵ月未満(20.9%)、1ヵ月未満(16.8%)などが続きます。おおむね7割の人が3ヵ月未満で契約しているようです。
さて、契約時期ですが、2021年の1月から12月まで5~10%前後の一定割合で契約があるようでる。そのなかでも9月が13.4%と最も高くなっています。
この契約に伴う着工時期は3月頃から徐々に増えていき、8月から2022年4月まで一定水準でキープした後、減少しました。
竣工と入居のピークは12月と3月。やはり、新年や新年度を新居で迎えたいというニーズが多いようです。土地購入から竣工までの期間は2年以内と回答した割合が96.5%でした。
ただし、家づくりの進め方は人それぞれで個人差があります。あるハウスメーカーの担当者も「お客さまが納得するまで何度でも打合せします」と言っています。今回紹介したデータは参考程度に留めておき、理想の家づくりを進めてください。
実態調査概要
戸建注文住宅の平均顧客像(2021年度)
戸建注文住宅の顧客実態調査は、主要都市圏における戸建注文住宅の顧客実態を体系的に調査.分析するために住団連が毎年実施しています。2021年1月から12月に契約した戸建注文住宅の実態について、各社に営業担当者がアンケートに回答したものを住団連が集計。有効回答数は3420件でした。
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