COLUMN家づくりコラム

一戸建ての坪単価はどれくらい?計算方法や平均価格を解説

イエタッタ編集部
2024.04.24

 

坪単価とは、1坪あたりの建築費をおおまかに計算したものです。一戸建てを建てる際は、費用の目安の1つとして坪単価を基準にします。そのため、坪単価について詳しく理解しておくと安心です。この記事では、一戸建てを建てるうえで坪単価を確認した方がよい理由とともに相場を解説します。ぜひ役立ててください。

 

-INDEX-

  1. 坪単価とは
  2. 坪単価を知っておくべき理由とは
  3. 全国平均の坪単価を確認
  4. 平均的な坪単価とは
  5. 一戸建てにかかるコストを抑えるコツとは
  6. 一戸建ての坪単価を比べるときの注意点とは
  7. まとめ

 

坪単価とは

 

坪単価とは、1坪にかかる建築費の概算です。1坪は、約3.3平方メートルです。家の本体価格を延床面積(建物の床面積の合計)で割った金額が、坪単価となります。

 

ハウスメーカー・工務店などによって基準が違う

坪単価の計算方法はハウスメーカーや工務店などによって異なるため、注意しましょう。坪単価の計算に施工面積を使用する場合もあれば延床面積を使用する場合もあり、どちらで計算するかによって、計算結果にも違いが出ます。

 

施工面積は工事を行う面積であり、吹き抜けやバルコニーなども含んでいます。それに対して延床面積は建物の床の面積であり、壁に囲まれていない場所は含みません。

 

坪単価×広さが家の価格になるわけではない

一戸建ての価格は、単純に坪単価に広さを掛け合わせて算出できるわけではありません。坪単価に広さを掛け合わせたうえで、実際にかかる他の費用も合計します。具体的には、外構工事費、付帯工事費、諸費用などを追加する必要があります。

 

外構工事費とは、敷地内で住宅以外の工事にかかる費用です。庭や駐車場の整備のためにかかります。付帯工事費とは、住宅の建築に伴って発生する必要です。たとえば、地盤改良費やエアコンの工事費などが含まれます。さらに、諸費用とは、住宅を購入する際の手続きに必要な手数料、税金、司法書士に支払う報酬などです。

 

 

坪単価を知っておくべき理由とは

 

一戸建ての購入にかかる費用を確認する場合、坪単価をもとに比較が可能です。坪単価はあくまでも概算ですが、その条件で一戸建てを建てるためにどの程度の費用がかかるのか分かります。すでに述べたとおり、業者によって坪単価の計算方法は異なるため、実際には単純に比較できない場合も少なくありません。よって、坪単価はあくまでも比較の基準の1つと捉え、参考として確認しましょう。

 

 

全国平均の坪単価を確認

 

2022年度について全国、首都圏、地域圏、東海圏における建設費平均、住宅面積、坪単価をまとめると、以下のとおりです。

 

  全国 首都圏 近畿圏 東海圏
建設費
平均
3,194.6万円 3,117.9万円 3,133.4万円 3,394.4万円
住宅面積 111.5
平方メートル
107.7
平方メートル
112.5
平方メートル
116.0
平方メートル
坪単価 28.6万円 28.9万円 27.8万円 29.2万円

 

基本的に、平均建物床面積については、地域による差はあまりありません。また、平均坪単価や建築費用を比較すると、特に首都圏が高めになっています。

  

平均的な坪単価とは

 

坪単価の平均は、どの程度なのでしょうか。業者別に解説します。

 

大手のハウスメーカーの坪単価:約70万円~

大手のハウスメーカーの坪単価は、約70万円以上となっています。工務店と比較すれば、20万円も高くなっています。大手のハウスメーカーの坪単価が高い理由は、高いブランド力や充実した保証制度などがあるからです。大手のハウスメーカーは、CMを中心とした大々的な宣伝により広く認知されています。

 

また、大手のハウスメーカーはそれぞれ独自のこだわりがあり、耐久性や構造などが優れているところも多いです。たとえば、木材にこだわった木造住宅や、耐震性の高い鉄骨造の住宅を提供しているところもあります。

 

工務店の坪単価:約50万円~

工務店の坪単価は、約50万円からとなっています。大手ハウスメーカーと比較すれば坪単価が低い傾向があるため、予算を抑えて注文住宅の一戸建てを建てたい場合に向いています。大手ハウスメーカー以上に自由な設計ができるところも多く、こだわりを活かしたい場合にもおすすめです。

 

工務店によって技術力や保証内容などには差があるため、各社の特徴を比較したうえでどこに依頼するか決めましょう。

 

ローコスト住宅メーカーの坪単価:約30~50万円

ローコスト住宅メーカーの坪単価は、約30~50万円が目安です。価格を可能な限り抑えることを重視しており、スタンダードなグレードの設備を大量発注や大量生産しています。そのため、ローコスト住宅メーカーで注文住宅を建てる場合、自由に選択できる内容は限定的です。間取りや内装の自由度が低い点はあらかじめ理解しておく必要があります。また、保証制度も最低限となっている場合が多いです。

 

 

一戸建ての坪単価に影響する要素とは

 

一戸建ての坪単価は、さまざまな要素によって決まります。以下で詳しく解説します。

 

1.住宅の構造

住宅の構造によって坪単価は変化します。住宅の主な構造としては、木造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造があります。

 

構造ごとの坪単価について全国平均と埼玉県の平均をまとめると、以下のとおりです。

 

  全国平均 埼玉県
木造 17万7,000円 17万7,000円
鉄骨鉄筋コンクリート造 26万5,000円 30万8,000円
鉄筋コンクリート造 27万8,000円 28万5,000円
鉄骨造 27万2,000円 28万円

 

木造(W造)

木造は、日本では一般的でリーズナブルな構造です。主に木造軸組工法と木造壁式工法が用いられています。木造軸組工法は、柱と梁で住宅の骨組みをつくる方法です。自由な設計がしやすく、在来工法とも呼ばれています。それに対して木造壁式工法は、2インチ×4インチの木材でできたパネルを組み合わせる方法です。耐震性や耐火性に優れており、ツーバイフォーとも呼ばれています。

 

鉄骨造(S造)

鉄骨造(S造)は、鉄骨で住宅の柱や梁をつくる方法です。木造より柱を少なくできるため、大きな空間を作りたい場合にも向いています。また、3階建て以上の大きな住宅にもおすすめです。ただし、基礎工事や地盤改良のためにコストがかかる場合が多く、木造よりも坪単価は高くなりがちです。

 

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造(RC造)は、型枠に鉄筋を配置したうえでコンクリートを流して固め、強度のある壁や柱をつくる方法です。耐震性や耐火性にも優れており、耐用年数も長いです。ただし、木造よりも工期が長くかかります。地盤補強にも費用がかかるため、それを理解したうえで選択する必要があります。

 

2.設備

設備をどれだけ設置し、どの程度のグレードにするかによっても、坪単価は変化します。設備の数が多かったり、グレードが高かったりすると、その分だけ坪単価は上昇します。理想と現実を比較し、折り合いをつけながら設備を選びましょう。

 

3.デザイン

延床面積が同じでも、デザインに凝るほど坪単価は高くなります。複雑なデザインは材料費や工事費がかさみやすく、坪単価も上がるため、こだわる部分とシンプルにする部分を分けて考えましょう。

 

 

一戸建てにかかるコストを抑えるコツとは

 

一戸建てを建てる際のコストを抑えるには、どうすればよいのでしょうか。具体的なコツについて解説します。

 

シンプルな造りにする

一戸建ての住宅を建てるためにかかるコストを抑えたいなら、なるべくシンプルな造りを意識しましょう。間取りや外観などをシンプルにすると、余計な費用をかけずに済みます。たとえば、部屋の仕切りを少なくしたり、外壁の凹凸を減らしたりすると、コストの削減につながります。

 

必要な設備を取捨選択する

設備に優先順位をつけ、本当に必要な設備を厳選することも大切です。便利な設備は豊富にありますが、設備が増えるとその分だけコストも高くなります。新しい家での生活をイメージし、優先順位を見極めましょう。後付けが可能な設備については省き、住宅の完成後、必要に応じて設置するという方法もあります。

 

窓のサイズや枚数を見直す

窓を1枚追加すると、それだけで数万円から数十万円かかります。特に、窓を大きくしたり、枚数を増やしたりすればコストが上がりやすいため、注意が必要です。間取りや使い勝手なども考慮しながら、窓のサイズや枚数を工夫しましょう。

 

 

一戸建ての坪単価を比べるときの注意点とは

 

一戸建ての坪単価を比べるときは注意点もあります。以下で詳しく解説します。

 

坪単価から分かる建築費用以外にも資金が必要

一戸建てを建てるためにかかる費用は坪単価を参考にする場合も多いですが、実際は建築費用以外にも別途工事費がかかります。具体的には、地盤改良工事、給排水工事、外構工事などです。一戸建てを建てる際はこれらの費用も負担する必要があるため、資金に余裕をもつ必要があります。

 

購入時に大切なことは施主の考え方

一戸建ての坪単価には、施主の考え方も大きく影響を与えます。施主が何にどの程度こだわるかによって、かかる費用は大きく変化するからです。たとえば、外装や内装のどちらにこだわるか、デザイン性をどの程度重視したいかなどは、人によって異なります。坪単価を下げたい場合は、優先順位を意識すべきです。

 

相見積もりをとる

一戸建てを建てるためにかかる正確なコストを把握するには、相見積もりをとりましょう。同じ条件で依頼して比較してみてください。金額以外の内容にも目を向け、安心して依頼できるところを見極める必要があります。各社から見積もりをとるには時間もかかりますが、1社ずつ精査することが重要です。

 

 

まとめ

 

一戸建ての坪単価は、ハウスメーカーや工務店によっても異なります。構造や設備をどうするかによっても坪単価は変化するため、単に坪単価を比較するだけでなく、内訳も確認する必要があります。坪単価を下げるには、こだわる部分とシンプルにする部分を意識的に分けることも大切です。

 

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執筆:イエタッタ埼玉編集部
注意:2024年4月24日時点の情報を基に執筆しております。最新情報と異なる場合がございます。