COLUMN家づくりコラム

土地探し中の人は必見。2023年の地価公示=埼玉県内の住宅地は南部を中心に上昇基調

イエタッタ編集部
2023.04.13

 

国土交通省は3月23日、2023年1月1日時点の地価公示を公表しました。住宅地の変動率は1.4%の上昇となりました。2年連続で上昇しており、上昇率も拡大しています。

つまり、「全国的には土地の価格が上がっている」ということです。

 

地価は、新型コロナ感染症の影響で2021年は下落したものの、大都市圏を中心に回復傾向にあるようです。また、生活スタイルの変化による需要者のニーズの多様化によって、郊外部にも上昇範囲が拡大しているのが特徴です。

一方、人口減少が著しい地域や自然災害があった地点は下落が続いており、上昇・下落の違いが鮮明になっています。

 

今回は、2023年の地価公示の概要と、埼玉県内の地価の状況について紹介します。

 

- INDEX -

  1. 土地の取引価格の目安となる地価公示とは
  2. 埼玉県の住宅地の変動率は1.6%

  3. 一戸建て住宅購入、土地探しの参考に

 

土地の取引価格の目安となる地価公示とは

地価公示とは、適正な地価の形成に寄与することを目的に、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1回標準値の正常な価格を公示し、一般の土地の取引価格に対して指標を与えています。2023年地価公示では全国2万6千地点の地価を評価しました。

 

住宅地の変動率を都道府県別でみると、プラスは24都道府県。

 

都心部や公共交通機関などが充実したエリアの需要が高く、地価が上昇しました。国交省は住宅地の地価公示の特徴について「住宅ローン減税・低金利・贈与税非課税枠拡大等の政策効果や住宅の値頃感の醸成により、住宅地への需要が高まり、住宅地の地価は下落基調からの転換の動きが見られた」とまとめています。

 

 

埼玉県の住宅地の変動率は1.6%

それでは、埼玉県の住宅地の2023年地価公示(調査地点1,301地点)の概要をみてみましょう。埼玉県の住宅地の変動率はプラス1.6%。県南部を中心に生活利便性の優れた住宅地で需要が堅調となり、2年連続で上昇しました。上昇幅も昨年のプラス0.5%を上回りました。

 

変動率が上昇した市町村は33市町で、昨年から11自治体増えました。一方、横ばいは8から6へ、下落は31から22へそれぞれ減少しています。変動率が最も大きかった自治体は戸田市のプラス5.8%。このほか川口市と蕨市のプラス4.9%や和光市のプラス3.2%などとなりました。浦和駅や大宮駅、川口駅、戸田公園駅、蕨駅、戸塚安行駅の徒歩圏で生活利便性の高い地点での上昇が目立ったようです。

 

次に、価格と変動率のトップ3の地点について紹介します。価格上位地点のトップは「さいたま市浦和区高砂2丁目125番地1」で価格は1平米あたり108万円でした。2位は「さいたま市大宮区下町1丁目62番1外」で92.2万円。3位は「川口市幸町1丁目14番1」の61.9万円となりました。

 

価格上昇地点(埼玉県内)

順位 所在地

変動率

価格(平米)

1位 さいたま市浦和区高砂2丁目125番地1 6.9% 1,080,000円
2位 さいたま市大宮区下町1丁目62番1外 新規 922,000円
3位 川口市幸町1丁目14番1 4.2% 619,000円

 

  

変動率のトップは「戸田市本町3丁目1771番2」の9.5%(価格は32.2万円)、2位は「川口市芝4丁目2282番3外」の9.3%(27.1万円)、3位は「川口市大字戸塚字立山4314番2」の9.1%(24万円)でした。

 

変動率上位地点(埼玉県内)

順位 所在地

変動率

価格(平米)

1位 戸田市本町3丁目1771番2 9.5% 322,000円
2位 川口市芝4丁目2282番3外 9.3% 271,000円
3位 川口市大字戸塚字立山4314番2 9.1% 240,000円

 

 

一戸建て住宅購入、土地探しの参考に

これから土地探しをする人にとって、地価の動向はとても気になるでしょう。以前、このコラムで紹介した一戸建て注文住宅の平均顧客像(2021年度)によると、5,783万円の住宅取得費のうち約34%(1,967万円)が土地購入費でした。限られた予算の範囲内で、土地と建物の費用をどうやりくりするのか、とても悩ましい問題です。

 

地価上昇の一方で、下落している地域もあります。例えば、「都心に近い本格的な田舎」とアピールするときがわ町はマイナス1.4%、荒川や蓑山などの自然豊かな皆野町はマイナス1.3%。生活利便性の高い地域の人気の高まりから、地価動向の2極化が鮮明に現れています。

 

もちろん、土地選びは価格だけではありません。学区や公共交通機関、スーパーや病院などの施設が近くにあるかなども重要な要素。新しい住まいを検討する際は土地の価格を比べるだけでなく、「ここに住んだら、どんな暮らしができそうか」と、想像してみるのもよいでしょう。