COLUMN家づくりコラム
一戸建て・マンション、どっち?維持費や設備、メリット・デメリットを比較
「一戸建てか、マンションか」という問題は、いつの時代も議論されてきたテーマです。特徴や住み心地、メリット・デメリット、コスト面に至るまで、さまざまな点で違いがみられるため、選択する際には、住宅に求める条件や資産価値などを考慮して検討しなければなりません。
そこで今回は、一戸建てとマンションを徹底的に比較します。ぜひ、比較検討の参考にしてください。
- INDEX -
- 一戸建て・マンションの比率
- 一戸建て・マンションの特徴と違い
- 資産価値はどちらが高い?
- 一戸建て・マンションのメリット
- 一戸建て・マンションのデメリット
- 一戸建て・マンションのお金の目安
- 一戸建てとマンション、どちらを選ぶべき?
- まとめ
一戸建て・マンションの比率
まず、現状で一戸建てとマンションのどちらを選択している人が多いのか、データで確認しておきましょう。
持ち家率は一戸建てが高い
総務省の調べによると、持ち家の場合には、「一戸建て・長屋建て」は約86%、「共同住宅」は約13%です。持ち家率からは、戸建てを選んでいる人が圧倒的に多いことがわかります。
今でも、「マイホームといえば一戸建て」と考える人が多いのかもしれません。とはいえ、共同住宅の数は、30年間で2倍以上と大幅に増加しています。
埼玉県総務部統計課「平成30年住宅・土地統計調査結果 埼玉県分の概要」
都市部では共同住宅の住居数が増加傾向にある
人口10万人以上の市区町村に絞った持ち家率では、「一戸建て・長屋建て」が75.7%、「共同住宅」が24.3%、と共同住宅の割合が増加しています。
埼玉県も、居住世帯のある住宅302万3,300戸のうち、一戸建ては54.8%(165万6,900戸)、共同住宅は43.5%(131万3,900戸)です。これは平成30年のデータですが、共同住宅の割合が、平成25年(42.3%)から1.2ポイント上昇しています。
参考:埼玉県総務部統計課「平成30年住宅・土地統計調査結果 埼玉県分の概要」
一戸建て・マンションの特徴と違い
一戸建てとマンションの特徴と違いを、5つの観点から比較します。自分が重視したい点に注目しながら、確認してください。
住み心地・住環境の比較
四方に窓がついている一戸建ては、風通りや日当たりを確保がしやすいのが特長です。ただし、一軒家が集まる住宅地は、駅から離れた場所に形成されることが多い傾向にあります。
一方、マンションは、駅や商業施設近くの、生活利便性が高いエリアに建設されることがほとんどです。しかし、窓の向きや数は限られます。
騒音・生活音の比較
隣家から独立して建つ一戸建てには、ほかの世帯からの生活音は響きにくいでしょう。騒音トラブルが発生しやすいのは、マンションです。
マンションは、上下左右の世帯と密接しており、生活音が聞こえやすい状況にあります。特に、深夜や早朝は、上階から、もしくは下階への足音を気にしつつ暮らさなければなりません。
設備・施設の比較
一戸建て・マンションのどちらにおいても、ほとんどの設備について、標準仕様に含まれていないものでも有料オプションで追加可能です。
マンションには、共用施設が多くあり、標準設備も充実しています。ゲストルームやインターネット・LANが用意されているところも多いでしょう。
一戸建てについては、設備・施設の導入は個人の自由です。
セキュリティ・安全性の比較
マンションは、セキュリティに関しては万全です。オートロックや防犯カメラ、管理人・警備員などによる有人管理など、二重・三重の対策が講じられています。
一方、一戸建ては自主管理です。ホームセキュリティサービスが普及してきているとはいえ、道路と面しているため、日々用心しておく必要があるでしょう。
耐震性・災害時の比較
一戸建て・マンションに関わらず、すべての新築住宅には、震度6強~7程度の地震でも倒壊しないだけの耐震性が義務づけられています。耐震等級1以上を有しているため、双方、心配はありません。
加えて、マンションであれば、災害発生時にむけた自主的な備えが期待できます。備蓄倉庫や自家発電装置などを導入しているケースがみられます。
資産価値はどちらが高い?
税法上の評価基準では、建物の資産価値持続期間は、木造一戸建ては22年、マンション(鉄筋コンクリート造)は47年です。それぞれの年月をかけて、価値が下降していきます。
ただし、資産価値は立地の影響を大きく受けるものです。人気エリアにあるマンションでは、当初の販売価格より値上がりするケースもあります。
一戸建てでは、土地にも考慮に入れなければなりません。建物の価値がなくなったあとにも、土地の資産価値は残ります。
一戸建て・マンションのメリット
一戸建てとマンション、それぞれの特徴からメリットをピックアップして比べると、違いがよりわかりやすいでしょう。
一戸建てのメリット
一戸建ては、完全自己所有・独占使用の独立した建物です。その特徴から得られる主なメリットには、以下のようなものがあります。
- 上下階の騒音や周囲からの目をあまり気にせずに暮らせる
- 自由にリフォームや建て替えができる
- 同じ予算で比べたとき、マンションより広い家が手に入る可能性が高い
マンションのメリット
マンションは、居室部分以外は共有使用の建物です。その特徴から得られる主なメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 駅や商業施設近くの好立地で、利便性の高い生活が送れる
- 充実したセキュリティ対策や設備があり、しっかりと管理される
- 居室部分はワンフロアであることが多く、優れた家事動線が確保できる
一戸建て・マンションのデメリット
一戸建て・マンションともに、デメリットも持ち合わせています。しっかりと把握しておきましょう。
一戸建てのデメリット
一戸建てのデメリットには、以下のようなものがあります。
- 駅から離れた郊外に建てられることが多い
- セキュリティは自主管理で、しっかりとした防犯対策が必要
- 修繕・修復の際には、大きな費用負担が生じることも
特に、郊外の開発エリアに建てられる分譲一戸建ての場合には、交通手段が車やバスに限られる場合もあるため注意が必要です。
マンションのデメリット
マンションでは、以下のような点がデメリットに挙げられます。
- 一戸建てよりも狭く、坪単価が高い傾向にある
- 住宅以外にも、管理費や修繕積立金、駐車場代などの費用が必要
- 生活音に配慮しなければならない
- 自由にリフォームやリノベーションができない
管理費や修繕積立費は、月額2~3万円が一般的です。
一戸建て・マンションのお金の目安
一戸建てとマンションでは、費用面でも違いがみられます。購入と維持にかかるお金の目安を比べてみましょう。
物件価格の目安
住宅面積の標準は、一戸建てのうち、土地付き注文住宅で111.4㎡、建売住宅で101.8㎡です。一方のマンションでは64.7㎡となっています。
マンションは、一戸建てより狭いにも関わらず、物件価格は平均4,528万円で、土地付き注文住宅の4,455万円、建売住宅の3,605万円と比べても高いことがわかります。
参考:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
維持費の目安
一戸建てでは、築20~30年ほどで外壁と屋根の塗装費用で200万程度、水回りの内装で300万円程度が必要です。
マンションでは、一度にまとまった維持費の支出はないものの、管理費や修繕積立金といった毎月の出費が存在します。月2万円を50年間払うと仮定すると、1,200万円にものぼります。
税金の目安
固定資産税において、土地と建物は別々に評価されます。マンションは敷地面積を占有面積で案分するため、土地に対する税額は戸建てより低額です。
しかし、建物の減価償却期間が長いマンションでは、建物に対する税額が戸建てより高い状態が長期間続きます。固定資産税を長いスパンで算出すると、マンションの方が高くなりやすいでしょう。
一戸建てとマンション、どちらを選ぶべき?
一戸建てとマンションとでは、特徴が大きく異なります。それぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどちらがよいとはいえません。
特徴からわかるのは、自由度の高さやランニングコストは一戸建てが、利便性の高さや資産価値を求めるならマンションが有利だということです。
重要な見極めポイントとなるのは、家に対する価値観でしょう。住まいになにを求めるのか、自分の要望を満たすのはどちらかを判断基準に据えるのがおすすめです。
まとめ
一戸建てとマンションのどちらを選ぶべきかに関しては、万人に共通する答えはありません。それぞれの特徴やメリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、「自分はなにを重視するのか」を基準に選択することになります。
埼玉で一戸建ての購入をお考えなら、それぞれを現地で確認してから判断するのも手です。その際には、見学先がGoogleマップに表示されるイエタッタ埼玉を、ぜひご活用ください。
カレンダーで予約が管理しやすいため、日時を間違えにくいのも特長です。多くの一戸建てとマンションを効率的に見て回れ、比較の手助けになるでしょう。