COLUMN家づくりコラム

階段の間取りとは?階段の形状やメリット・デメリット、注意点についても解説

イエタッタ編集部
2023.09.07

 

2階建てや3階建ての家づくりには、必ず階段が必要になります。近年、階段の配置場所や種類は豊富になり、選ぶ際に悩む人も多いようです。この記事では、階段の間取りについて解説します。階段の間取りのパターンや、形状別のメリット・デメリットなどについても解説するため、役立ててください。

 

- INDEX -

  1. 階段の間取りは家づくりの大切なポイントになる
  2. 階段の間取りは2パターン
  3. 階段の構成とは
  4. 階段の形状別のメリット
  5. 階段の形状別のデメリット
  6. 階段を選ぶポイント
  7. 安全な階段にするための注意点
  8. まとめ

 

階段の間取りは家づくりの大切なポイントになる

家の間取りを決める際に、生活動線は欠かせないポイントです。生活動線は、階段と玄関の間取りが決まると、自然に決まりやすくなります。家の印象は、階段の配置場所により変わります。玄関からそのまま2階に行く、帰宅後はリビングに直行するなど、さまざまなシチュエーションを想像して、階段の配置場所のイメージを固めましょう。

 

階段の間取りは2パターン

階段の間取りは大きく分けて2パターンです。ここでは、それぞれの間取りについて解説します。

 

リビング階段

リビング階段とは、リビングの中に階段を配置する間取りです。おしゃれな空間が作れることから、近年の家づくりではリビング階段への人気が高まっています。

リビング階段のメリットは、家族が顔を合わせる機会が増えたり、リビングが広くとれたりすることです。デメリットは、1階と2階や3階の空間が階段によりつながるため、上の階へ臭いや汚れ、暖気が上がりやすくなることです。

 

玄関近くの階段

玄関の扉を開けて近くに見える位置に配置する階段は、一般的な階段の間取りといえます。玄関近くの階段のメリットは、玄関から2階へ直行できるためプライバシー性が高く、リビングと上の階がドアや壁などで区切られることで冷暖房効率が良い点です。

デメリットは、リビングを通らずに上の階へ行けるため、家族同士で顔を合わせる機会が少なくなったり、玄関ホールが圧迫感のある間取りになったりなどが挙げられます。

 

 

階段の構成とは

階段は、さまざまなパーツで構成されています。ここでは、代表的な5つのパーツについて解説します。

 

踏み板

踏み板とは、階段で足を乗せる板の部分です。段板と呼ばれる場合もあります。建築基準法で踏み板の奥行きは15cm以上と定められていますが、狭すぎたり広すぎたりすると、家族が歩幅の調節に苦労するため注意しましょう。

 

 

蹴上げ

蹴上げとは、階段1段分の高さのことです。蹴上げにより、階段が急なのか、緩やかなのかが判断できます。建築基準法では蹴上げは23cm以下と定められていますが、子どもや高齢者には、23cmの高さが辛く感じる場合もあります。

 

手すり

階段の手すりは、上り下りする際の転倒や落下を防ぐ役割を持ちます。手すりは、階段に壁がある場合は壁に、壁がない場合は独立して設置できます。手すりの高さは、一般的に80cm前後ですが、建築基準法による規定はありません。

 

親柱(主柱)と子柱

親柱(主柱)は手すりを支える太い柱、子柱は手すりを支える細い柱を指します。親柱(主柱)と子柱は、手すりを独立して設置する場合に必要な柱です。子柱には、人や物の落下を防ぐ役割もあります。

 

踊り場

踊り場は、階段の向きが変わる途中にあり、通常の踏み板よりも広い面積を確保した部分です。建築基準法では、階段の高さが4m以上になる場合に、踊り場を設置するよう定められています。

 

階段の形状別のメリット

階段にはさまざまな形状があり、それぞれにメリットがあります。ここでは、4つの形状について解説します。

 

直階段(直線階段)

直階段とは、1階から2階へ一直線にのびた階段です。直線階段と呼ばれることもあります。直階段のメリットは、少ない必要面積に設置できるため、敷地面積が少ない家に向いている点です。直階段を壁に沿って設置すれば、階段下部を収納スペースとして活用することも可能です。

 

 

折れ階段(かね折れ階段)

折れ階段とは、踊り場で90度向きを変える階段です。別名「かね折れ階段」と呼ばれる場合もあります。折れ階段のメリットは、直階段より勾配が緩やかである点と、万が一階段の上部で転倒しても、踊り場で止まれる点です。折れ階段も、階段下部を収納スペースにできます。

 

折り返し階段

折り返し階段とは、踊り場で180度向きを変える階段です。折り返し階段のメリットは、直階段や折れ階段よりも段数が増えるため、段差が小さく緩やかな勾配になることです。また、折れ階段よりも踊り場の面積が増えるため、折れ階段よりも安全性が高くなります。

 

らせん階段

らせん階段とは、らせん状に回転している階段です。らせん階段の設置は、他の階段よりも少ない設置面積で済み、空間を広く感じられることがメリットといえます。また、デザインがおしゃれなため、らせん階段をインテリアの一部としても楽しめます。

 

階段の形状別のデメリット

階段は、形状別にデメリットもあります。ここでは、それぞれのデメリットについて解説します。

 

直階段(直線階段)

直階段のデメリットは、階段の途中に踊り場を設けられないことです。また、階段に使える面積が限られている場合は、勾配が急になりやすいことも挙げられます。安全性を高めるには、手すりの設置をおすすめします。

 

折れ階段(かね折れ階段)

折れ階段は踊り場の設置により、直階段よりも広い面積が必要になることがデメリットです。また、直階段よりも広い面積を必要とするため、費用もかかります。

 

折り返し階段

折り返し階段のデメリットは、他の階段と比較すると広い設置面積が必要になることです。費用が高くなる傾向にあるため、予算の余裕がないと実現が難しい階段ともいえるでしょう。

 

らせん階段

らせん階段は、踏み板が三角形のような形状であり、踏みはずしのリスクが高くなります。また、大きな荷物が運びにくい形状のため、クレーンで引き上げて窓から搬入する手間がかかるのも難点です。

 

階段を選ぶポイント

階段を選ぶ際には、どのようなポイントがあるのでしょうか。ここでは、3つのポイントについて解説します。

 

配置場所

階段に求める内容を明確にすることで、配置場所が決めやすくなります。まずは、リビング階段なのか、玄関近くの階段なのかを決めましょう。次に、階段の配置場所を家の中心や端、壁伝いなどから選びます。生活導線を考えて、階段の配置場所を決めることがポイントです。

 

形状

階段は、配置場所に合わせて形状を決めましょう。階段の形状を選ぶ際は、好みやイメージも大切ですが、配置場所に適した形状であることも欠かせないポイントです。階段の設置面積が多く取れない場合は、直階段やらせん階段がおすすめです。

 

素材やデザイン

階段を選ぶには、素材やデザインもポイントです。素材は、木材や金属の他に、ガラス、石などが使われています。デザインは、スケルトンタイプや箱型タイプなどがあります。階段の印象は、素材やデザインで大きく変わるため、ライフスタイルや予算に合わせて選びましょう。

 

安全な階段にするための注意点

階段の安全性を高めるには、注意すべき点があります。ここでは、2つの注意点について解説します。

 

階段の寸法は住む人に合わせる

階段の幅や高さは、建築基準法で定められており、階段幅は75cm以上、踏み面は15cm以上、蹴上げは23cm以下となっています。しかし、建築基準法の寸法は最低限の基準であり、全ての人が上り下りしやすい寸法とはいえません。

さまざまな人が利用する公共施設の階段の多くは、踏み面は30cm、蹴上げは15cmと、緩やかになっています。階段の上り下りのしやすさには個人差があるため、住む人が快適に生活できたり、将来を考えたりして、階段の寸法を決めることが大切です。

※参考:内閣府 建築基準法の階段に係る基準について

 

デザイン性だけにこだわらない

階段はデザイン性のみではなく、安全性や実用性にこだわることも大切です。小さな子どもや高齢者が一緒に住む場合には、安全性や実用性は欠かせません。手すりや滑り止めなどを階段に設置することも検討しましょう。

 

まとめ

階段の間取りは、家の構成を考える際に大切なポイントです。階段の間取りが決まることで、家づくりの生活動線も見えやすくなります。階段の形状はそれぞれにメリット・デメリットがあるため、住む人に合った安全性の高い階段を選ぶと安心です。

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