COLUMN家づくりコラム

今年は関東大震災から100年目、防災に使える補助金をご紹介

イエタッタ編集部
2023.09.01

毎年9月1日は「防災の日」です。1923年9月1日に発生した関東大震災が由来となっています。そして、今年は関東大震災から100年の節目にあたります。

 

日本は「地震大国」と呼ばれるほど世界的に地震が多い地域であり、近年でも東日本大震災や熊本地震等多くの震災が発生しています。

さらに、昨今の温暖化の影響で、大型の台風の上陸や豪雨、洪水、土砂崩れなどの自然災害が頻発化・激甚化しています。

政府によると、首都直下型地震が「今後30年で70%の確率」で発生するとされています。

 

埼玉県は、関東山地や北武蔵台地等があり、地盤が固く安定しているため、震災によるリスクは比較的低いといわれています。また、埼玉県南西部から東京西部に広がる立川断層を原因とした震災が発生する可能性もあり、これら震災による被害を受ける恐れがあります。

 

そのため、「埼玉県は大丈夫」と安心せず、常日頃から防災対策を心がけておくことが大事です。なかでも、「住まい」は災害発生時に命を守る「シェルター」にもなります。また、食料や飲料の備蓄があれば、避難所ではなく自宅での避難生活が送れます。自治体でも防災対策に要する費用を支援する補助金を多数公募しています。

 

今回は、防災対策に関する意識調査結果と、今すぐ使える埼玉県内の自治体で公募されている防災関連に係る補助金をご紹介します。

 

- INDEX - 

  1. 防災対策は「家」が重要
  2. 耐震診断に使える補助金
  3. 耐震改修に使える補助金
  4. ブロック塀除去に使える補助金
  5. 家具転倒防止器具に使える補助金
  6. まとめ

 

防災対策は「家」が重要

ハウスメーカーのパナソニック ホームズは8月10日、防災対策に関する生活者意識調査の結果をまとめました。調査は、災害時に被災規模が大きくなりやすい木造住宅密集地域がある東京都品川区の戸越銀座商店街で該当インタビューを実施したほか、全国1030人を対象にウェブアンケートを実施しました。

 

戸越銀座商店街での街頭インタビューでは、「あなたの防災対策を教えてください」という問いに、「家」と回答したのは、45人中わずか1人。

また、「防災と聞いたときに一番はじめにイメージするもの」を聞くウェブアンケートでは、1位が「食料・水の備蓄の確保」(47.2%)、2位が「防災グッズの用意」(31.5%)、3位が「ハザードマップの確認」(13.3%)となり、「住宅の耐震補強」と回答した人は1割未満(6.8%)となりました。

 

同社は「災害時に家が倒れない、被災しても自宅で最低限の生活を維持できる『家』は重要な防災対策」として、住まいの防災の重要性について訴求を強めています。

 

耐震診断に使える補助金

1981年5月以前までに建築された住宅は「旧耐震基準」に沿っており、十分な耐震性能がないものが多数あります。また、現行の「新耐震基準」で建てられた住宅も立地条件等によっては通常より劣化している場合があります。耐震性能がなければ震災の際に倒壊し、死傷者が出るリスクがあります。

 

そのリスクを避けるためには、建築士等の専門家に十分な耐震性能の有無を判断してもらう必要があります。多数の自治体では耐震診断を受け付けており、その費用を補助する制度が設けられている場合もあります。

 

耐震診断に使える補助金
名称 公募機関 補助上限 補助率 申請期間
(2023年度)
木造住宅耐震診断
補助制度
吉川市 6.5万円 2/3 2023/4/1~
予算終了まで
分譲マンションの
耐震診断補助制度
三郷市 300万円 2/3 2023/4/1~
予算終了まで
我が家の耐震診断
補助事業
所沢市 5万円 2/3 2023/4/1~
予算終了まで
既存住宅
耐震診断の補助
草加市 5万円 1/2 2023/4/1~
予算終了まで
寄居町木造住宅耐震
診断助成金
寄居町 2.5万円 1/2 2023/4/3~
予算終了まで

 

耐震改修に使える補助金

耐震診断によって、「十分な耐震性能がない」と判断された場合、耐震改修工事が必要になります。自治体によっては、耐震診断だけでなく改修工事の費用も補助するところがあります。

 

特に1981年以前に建築された木造住宅については、耐震改修が推奨されています。また、高齢者が居住する場合、補助額が加算されるケースもあります。該当する住宅に居住する方は、自身及び周囲の安全確保のために、耐震改修工事を実施することをおすすめします。

 

耐震改修工事に使える補助金
名称 公募機関 補助上限 補助率 申請期間
(2023年度)
建築物
耐震改修等補助金
朝霞市 40万円 10/10 2023/4/1~
予算終了まで
耐震改修工事
補助金制度
富士見市 100万円 4/5 2023/4/1~
予算終了まで
耐震改修工事
の補助金
杉戸町 60万円 1/3 2023/4/1~
予算終了まで
住宅耐震化補助制度 深谷市 50万円 1/3 2023/4/1~
2024/2/28まで

 

 

ブロック塀除去に使える補助金

地震発生時に倒壊する危険があるのは住宅だけではありません。住宅を囲うブロック塀も倒壊する危険があります。実際、2018年の大阪北部地震ではブロック塀倒壊による小学生の死亡事故が発生しています。

 

各自治体では倒壊の恐れがあるブロック塀の除去、及び十分な耐震性能があるブロック塀の新設を推奨しています。また、ブロック塀の代わりに倒壊の恐れがない生垣の設置を推進している自治体もあります。

 

ブロック塀除去に使える補助金
名称 公募機関 補助上限 補助率 申請期間
(2023年度)
戸田市ブロック塀等
撤去・築造等事業支援補助制度
戸田市 20万円 10/10 2023/4/1~
予算終了まで
危険なブロック塀等
補助金制度
狭山市 10万円 10/10 2023/4/1~
予算終了まで
生け垣助成制度 さいたま市 20万円 10/10 2023/4/1~
予算終了まで

 

家具転倒防止器具に使える補助金

震災が発生した際、家の中にある家具が落ちたり倒れたりするリスクがあります。そのため、常日頃から家具を固定しておく必要があります。

 

埼玉県では「埼玉県家具固定サポーター登録制度」を設けており、希望する世帯に対して、専門家による家具の固定を実施しています。また、自治体によっては、家具を固定する器具の購入費用を補助するところもあります。

この補助金は、新築後にも安心・安全な住まいの実現にも活用できそうですね。

 

家具手等防止器具に使える補助金
名称 公募機関 補助上限 補助率 申請期間
(2023年度)
草加市家具転倒防止器具
取付費助成制度
草加市 9,000円 10/10 2023/4/1~
予算終了まで
家具転倒防止器具設置の
補助制度
小川町 4,000円 1/2 2023/4/1~
予算終了まで
家具転倒防止器具
設置助成
ときがわ町 5,000円 1/2 2023/4/1~
予算終了まで
春日部市高齢者宅
家具転倒防止器具設置
促進事業
春日部市 1万円 10/10 2023/4/1~
予算終了まで

 

まとめ

このほか、停電への備えとして、太陽光発電システムや蓄電池、電気自動車から住宅への給電システムなどが活用できます。これらの創エネ・蓄エネ機器の導入費用を補助する自治体も多いので、以前のコラムの【2023年最新版】節電や脱炭素対策、家庭の省エネに使える補助金をご紹介を参考にしてください。

 

地震や集中豪雨等の災害はいつ発生するかわかりません。上記のような補助金を積極的に活用し、十分な防災対策をしておきましょう。

 

>>助成金の解説:ナビット、監修:住宅産業新聞社

 

住宅産業新聞社

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