その1【2023年度最新】長期優良住宅とは?認定基準やメリット・デメリットについて解説
住宅の新築をご検討されている皆さまは、「長期優良住宅」についてご存知でしょうか。
長期優良住宅とは、「将来にわたり長く住み続けられると国から認められた住宅」のことです。国の定めた基準をクリアすることで、長期優良住宅の認定を受けることができます。
長期優良住宅は、税制面の優遇措置や金利の優遇など、様々なメリットを受けることができますが、一方で通常よりも多くの手順を踏む必要も出てきます。
この記事では、長期優良住宅の概要と、認定基準やメリット・デメリットについて解説していきます。2022年(令和4年)の法改正に伴い、認定基準の見直しがありましたので、最新情報をチェックして、ぜひ家づくりにお役立てください。
※本記事は2023年7月1日時点の情報をもとに執筆しました。
目次
長期優良認定住宅とは?
長期優良住宅とは、国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアし、行政の認定を受けた住宅のことです。
長期優良住宅の認定を受けるためには、以下のような措置が講じられていることが必要です。
長期優良住宅|東京都住宅政策本部
・長期に使用するための構造及び設備を有していること
・居住環境等への配慮を行っていること
・自然災害等への配慮を行っていること
・一定以上の住戸面積を有していること
・維持保全の期間、方法を定めていること
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/yuuryou-1.html
長期優良住宅の目的
長期優良住宅の認定制度の開始の経緯について、国土交通省のホームページにある認定制度概要資料には次のように書かれています。
長期優良住宅認定制度は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全に関する計画を「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき認定するものです。平成21年6月4日より新築を対象とした認定が開始され、平成28年4月1日からは既存住宅の増築・改築を対象とした認定も開始されました。
認定制度概要パンフレット ― 一般社団法人住宅性能評価・表示協会
さらに、令和4年10月1日には既存住宅について建築行為を伴わない認定が開始されました。
長期優良住宅(新築戸建)の主な認定基準
長期優良住宅認定制度は建築の工法や新築・既存、一戸建て・共同住宅(マンション)等にかかわらず利用でき、さらに2022年(令和4年)の見直しでは、既存住宅の認定制度も新たに創設されました。 ですが、ここからは「木造新築一戸建て」に焦点をあててご説明します。それ以外についても知りたい方は、以下のページをご確認ください。
>>長期優良住宅のページ ― 国土交通省https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html
長期優良住宅にはどのような性能が必要かを定義したものが「長期優良住宅の認定基準」です。主な認定基準の項目は以下の通りです。
劣化対策 | 数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること |
耐震性 | 極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること |
省エネルギー性 | 必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること |
維持管理・更新の容易性 | 構造躯体に比べて耐用年数が短い設備配管について、維持管理(点検・清掃・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること |
居住環境 | 良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること |
住戸面積 | 良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること |
維持保全計画 | 建築時から将来を見据えて、定期的な点検、補修等に関する計画が策定されていること |
災害配慮 | 自然災害による被害の発生の防止又は軽減に配慮されたものであること |